こんにちは、ちゃんわです。
今回は、題目の通り「芝短距離戦における馬場状態と単勝配当の関係」を分析してみました。
みなさん、「雨が降ると荒れる」と意気込んで穴狙いしているかも知れません。しかし、その格言は本当でしょうか??
今回の分析では、本当に「雨が降ると荒れるのか?」分析しました。
(※データは2018~2021年の芝1600m以下のレース(新馬戦を除く)を対象にしています)
結論
まず、結論から先にお答えします。
どうでしょうか。予想通りでしょうか?
ここから、この結論に至った理由を説明します。
馬場状態による勝ち馬の平均人気を確認
まずこの分析を行うために、馬場状態(良・稍・重・不)の4つの状態ごとの勝ち馬のステータスを分析しました。
馬場状態 | 平均人気 | 平均単勝支持率 |
良 | 3.55 | 18.7% |
稍 | 3.40 | 19.0% |
重 | 3.35 | 18.3% |
不 | 3.16 | 19.3% |
この表を見ると、馬場状態が1段階悪化すると勝ち馬の平均人気が下がっています。つまり、馬場が悪くなると人気の馬が勝っているように見えます。
しかし、単勝支持率についてはほとんど差がありません。大体18~19%、オッズにすると4.2~4.4倍くらいが平均単勝倍率となっているようです。
ここでは具体的な答えは出ませんが、「オッズはさほど変わらないのに、平均人気は下がる」ということは「馬場状態が悪いとオッズが分散する。そのため上位人気のオッズが高くなる」と仮定することができます。
馬場状態ごとの1番人気の単勝オッズ
では、今の仮説を確認するために、馬場状態毎の1番人気の平均単勝オッズを見てみましょう。
馬場状態 | 平均単勝オッズ | 平均単勝支持率 |
良 | 2.82 | 32% |
稍 | 2.80 | 31% |
重 | 2.86 | 31% |
不 | 2.97 | 28% |
この表をみると、馬場状態が悪いと1番人気の単勝オッズが高くなっていることがわかります。
つまり、「馬場状態が悪くなると出走馬の支持率が分散されるために、1番人気の馬の単勝オッズが高くなる」という仮説の辻褄が合います。
したがって、馬場状態が悪いと勝ち馬の単勝支持率が下がるので、単勝配当は高くなると考えられるでしょう。
とはいえ、馬場の区分を4つにすると、季節ごとの馬場の違いなども影響してくるでしょう。もう少し細かく分析してみたいです。
馬場差を使用した平均人気を確認
馬場を馬場状態以外で区別するために、ittaiさんのブログにて公開している馬場差を使用して勝ち馬の平均人気を確認してみました。
この馬場差についての説明はittaiさんのブログを参照していただきたいのですが、簡単に説明すると、数字が小さい方が馬場が軽く、数字が大きい方が馬場が重いと考えていただけると良いかと思います。
馬場状態が悪ければ、数値が高くなる傾向はありますが、必ずしもそうとは限りません。
馬場差ごとのレース数
各馬場差ごとに、どのくらいのレース数があるのかを見ておきます。
基本的に馬場差の絶対値が大きいほどレース数は少なくなります。
上のヒストグラムは馬場差ごとのレース数の分布です。正規分布に従っています。
馬場差と勝ち馬の平均単勝支持率
この馬場差を使用して、勝ち馬の平均単勝支持率を確認してみました。
馬場差 | 平均単勝支持率 |
-2.2 | 34.6% |
-2.1 | 34.5% |
省略 | |
-1.0 | 33.4% |
-0.9 | 31.3% |
-0.8 | 32.8% |
省略 | |
-0.1 | 29.2% |
±0.0 | 30.3% |
+0.1 | 29.0% |
省略 | |
+1.9 | 20.5% |
+2.0 | 30.7% |
馬場差が0.1刻みのため表では省略しています。これをプロットしてみるとこのようになります。
相関係数は-0.63となり、負の相関があることがわかります。
つまり、「馬場差の数値が大きいほど、勝ち馬の単勝支持率が大きい」「馬場が重いほど、勝ち馬の単勝配当は大きくなる」と仮説が正しいことがわかりました。
馬場差と人気の関係
最後に、馬場差と勝馬の平均人気についても確認しておきます。
相関係数は0.19のため大きな相関があるとは言い難いですが、馬場差が大きいと勝馬の人気も高いように見えます。
まとめ
今回の分析では、「芝短距離戦において、馬場が重くなると単勝配当が高くなる」と結論づけることができました。
ですので、格言にもある「雨が降ると荒れる」と言うのは、正しいと考えることができそうです。
単勝配当だけでは穴馬が2,3着に来た場合についてまで確認することができませんでしたので、今後は複勝や馬連の配当についても調査してみたいと思います。
コメント