競馬の魅力については、前の記事で理解できたと思います。
今回の記事では、競馬初心者に向けて、競走馬の種類、レースクラス、騎手の役割、そして競馬用語の基礎知識を分かりやすく解説します。
競走馬の種類
現在の日本の競馬で競走馬として登録される馬は、100%がサラブレッドといわれる種類の馬です。
過去には、アラブ系、アングロアラブ系といった”アラブ種”と呼ばれる競走馬も存在していましたが、今はいなくなりました。
サラブレッドは速さと持久力に優れているため、競走という競技には一番向いているためです。
レースのクラスについて
日本の中央競馬会にには各馬のレースでの獲得賞金、勝ち数ごとにランク分けされています。
同じランクに属する馬同士でレースを実施するため、各馬の強さのレベルが近しくなりレースの予想も難解となります。
各クラスは、競走馬のキャリアや実力に応じて区分けされており、競走馬の成長とともに昇級するシステムとなっています。
それではレースレベルを下のランクから見ていきます。
新馬戦
新馬戦は、文字通り、まだ一度も競馬に出走していない馬たちのデビュー戦となります。
過去のレース成績が無いため、血統や兄弟、レース前までの調教、新聞に乗っている関係者のコメントなどで強さを判断するしか無いという点が難しいポイントです。
しかし、新馬戦だけは馬の能力差でランク分けされていないレースです。
将来のG1馬と勝ち上がれない馬が一緒に走る可能性がある唯一のレースで、大衆が見つけられない能力差を見抜ければ、大きな配当を手に入れることもできる非常に面白いレースとなっております。
未勝利戦
未勝利戦も名前の通り、「まだ1度も勝利していない馬」が出走するレースです。
新馬戦で勝てなかった馬が、こちらのレースに回り初勝利を上げることができるまでこの未勝利戦で初勝利を目指します。
この未勝利戦は中央競馬の中で一番レース数が多く、基本的に午前中はほとんど未勝利戦となっています。
ここでは、過去のレース結果などの情報があるため新馬戦に比べるとレース予想がしやすくなります。
しかし、未勝利戦に出走する馬は初勝利を目指す過程で、調教師や騎手が「どのような条件のレース(距離や競馬場)」であればこの馬が勝てるかと試行錯誤するレースでもあります。
ですから、出走する競馬場や距離、芝ダートなど出走する馬の条件がコロコロ変わることも多いのが未勝利戦です。
私達競馬ファンは、この条件変更がプラスとでるかマイナスと出るかを検討する必要があります。ここが未勝利戦における難しいポイントでもあります。
しかし、ここを見抜いた予想ができれば大きな配当を得ることができるので、面白いレースでもあります。
1勝クラス、2勝クラス、3勝クラス
こちらは、今までの勝ち数に応じてクラスが別れています。
未勝利戦を勝ち上がり、勝ち数が”1″になった馬は1勝クラス。
1勝クラスを勝ち上がると2勝クラス。2勝クラスを勝ち上がると3勝クラスとレースランクが上がっていきます。
このあたりのレースでは新馬戦や未勝利戦と違い、レベルが非常に近い競走馬でレースを行うので予想が非常に難解となります。
レースの予想のポイントはたくさんありますがその中でも高配当が狙いやすい予想ポイントを紹介します。
- 強いメンバーが揃ったレースの出走経験がある馬を狙う
- 過去のレースで枠や展開の不利があった馬で今回はそれを克服できそうな馬を狙う
- 物理的な不利(ダートで砂かぶりを嫌がる、直線でブレーキを掛けた等)を受けて実力が発揮できなかった馬を狙う
このように、競馬新聞の馬柱では見抜けない情報を使うことが高配当へのポイントとなります。
最近では、JRAの公式ページに全レースの動画・パトロールビデオが公開されています。
これを使ってレースの復習、回顧を行うのも大きな配当を当てるためには必要かもしれません。
OP(オープン)
ここからはオープンといって、どの馬も出走することができます。
しかし、基本は3勝クラスを突破してある程度力をつけた馬が出走するケースが多いです。
OP以上のレースは出走制限がありませんがレース数は少ないため、出走したい場合は基本的に獲得賞金順に出走権が与えられます。
そのため、そもそも3勝クラスを突破していない馬は出走権を与えられない場合も多いということになります。
また、レースの条件によっては獲得賞金によって負担斤量が異なったり、近走のレース成績に合わせて斤量が異なるレースなども組まれており難しいレースでもあります。
G1,G2,G3などのグレードレースに出走する前のステップとして位置づけられることもあり、実力の高い競走馬が出走するレースであるため勝ち上がることも予想をすることも難しいですが、非常に面白いです。
G3, G2, G1
ここからはグレードレースと呼ばれるレースになります。重賞と呼ばれることもあります。
最高峰のレースで、G1が最上位のレースです。国内外のトップクラスの競走馬が集結します。
特にG1は最も賞金が高く、最も名誉ある勝利とされます。
重賞となるとかなりの実力馬が集結するため、枠や展開、馬場傾向次第ではどの馬でも勝つチャンスがあります。
そのため、レースの展開読みや馬場傾向読みといったレース以外の要素も組み込んだ複雑な予想が必要になってきます。
しかし大きいレースということもあり、競馬場現地だけでなく中継で見る場合でもかなり盛り上がりますし、普段競馬を見ない人たちも参戦することがありますのでまた違った面白さがります。
騎手の重要性
次に、騎手の重要性について解説します。
騎手は単に馬を操るだけではありません。レース戦略の立案、馬のコンディション管理、レース中の瞬時の判断といろいろな能力が求められます。
逃げる場合にはそのレースの作るペースメイクをしたり、追い込みの場合にはどのタイミングでスパートを掛けるかなど、騎手の仕掛け一つでレースが大きく変わります。
騎手は人間で様々な特徴があるため、その特徴や乗り方と騎乗する馬がマッチするかどうかを考える必要もあります。
展開や馬場をしっかり読んで、馬とのリズムを大切にし、馬の力を信じて騎乗する騎手が信用できる騎手となりますが、この予想は非常に難しいです。
日頃からメディアでの騎手の受け答えやコメントをよく調べることが、レースで騎手がどのようなレースをするかを考えるための材料となります。
また、新人騎手や若手騎手、女性騎手には平場レースで減量処置があります。通常の騎手に課せられている斤量から1~4kg減量して騎乗することができます。
これにより、馬への負担が減ることで思わぬ激走をすることもありますので、一概にベテランで上位の騎手が乗るのがベストではないということもありえます。
他にも、短期免許で来日する外国人騎手に乗り替わる場合に、陣営の勝負気配を感じたり、腕っぷしの強い騎手に乗り替わることで今までなかなか動かなかった馬が見違えるような末脚で追い込んでくるようになるなど、騎手が替わるだけで馬の走りがガラッと変わることもありえます。
ですから、日頃から騎手がどのようなレースをするか観察することも大事な要素となります。
この記事で新出の競馬用語
最後に、この記事で新出した競馬用語を解説します。
芝・ダート
中央競馬では、レースで使用するコースが芝のコースと、砂のダートコースがあります。
馬によってどちらのほうが走りやすい、力が出しやすいというのが異なるので、適性に合わせて出走するコースが選択できるようになっています。
ペース
レース中の速度の流れのこと。レース序盤、中盤、終盤で流れの種類が異なる。
逃げ馬に乗った騎手によって握られることが多いが、後ろの馬に乗った騎手の終盤のスパートによってペースが急に変わることもある。
追い切り
レース前の調教における最終調整のこと。
騎手や調教助手が騎乗して、トレーニングセンターと呼ばれる調教施設でタイムを出して調整が行われる。
この追い切りのタイムを参考に予想を行う方法もある。
ハンデ
レースで馬や騎手に与えられる重量の調整のこと。
騎手の勝利数やデビューからの年数、女性などの減量が与えられる場合や、ハンデ戦と呼ばれるレースで馬の直近の成績によって斤量が変更されるレースが存在する
馬体重
競走馬の体重のこと。だいたいレース1時間前に発表され、490(+8)といったように、体重と前走時との差が表示される。
まとめ
この記事では、競走馬の品種とレースクラス、騎手の重要性について解説しました。
次の記事では、競馬予想の醍醐味でもあり、基本中の基本でもある馬の評価方法、馬の能力や適性を評価するポイント、過去の成績や調教情報の見方を解説します
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